風の森通信 第657号


静けさの中のお濃茶



  お濃茶という静けさを 古帛紗にのせてあなたに出して控えん 

                            H22.03.13 冨樫通明


 一碗の濃茶を点てる時はいつも静かな時間が流れます。
帛紗を捌く音、柄杓を蓋置に引く時の音、お湯の煮え立つ音、茶筅通しの音、お湯を汲んで茶碗に入れる音そして捨てる音、茶杓を茶碗の縁で静かに打つ音、茶筅を振る音・・・
練りあがった濃茶の茶碗を定座に出し、古帛紗も添えて控えることになります。私はお茶碗の後を目で追っていきます。
正客がとりに出る時の衣擦れの音、そして茶碗を引いて元の席に戻る衣擦れの音。
その後は客全員による総礼。
目を閉じていても音や気配で流れを知ることができるでしょう。
そして正客が茶碗を口に持っていき、一口を飲んだ時に顔をあげて尋ねます。

  「お服加減はいかがでしょうか」

  「たいへんおいしゅうございます」

私が点前座に座ってからずっと続いていた緊張感は、この正客とのやり取りで一瞬にして氷解していきます。
私がほっとして胸をなでおろす瞬間です。
濃茶席は静けさの中でさまざまな音を楽しむため、それまで一切声はたててはならないことになっているのが分かるような気がします。私にとってお濃茶は静けさと緊張感の連続です。
静けさの中でのお点前そして一服は、私にとって誠に得がたいものなのです。

 先日私が許状をいただいたお祝いにと、親しい友人から古帛紗をいただくことができました。
お恥ずかしい話なのですが、お茶をはじめた頃に先輩から頂戴していた住吉緞子のものが一枚しかなかった私にとって、ようやく二枚目の古帛紗を手にすることができました。
友人にはいつかこの古帛紗をつかってお濃茶を点ててあげたいと思っています。
感謝の心を込めて。

 今日のお稽古は釣釜後炭手前、盆点そして長板総荘での薄茶点前でした。
主菓子の銘が「若菜摘み」

もうすぐ春でございます。


和の学校仙台分校へどうぞ

テーマ : 和風、和物、日本の伝統
ジャンル : 趣味・実用

コメントの投稿

非公開コメント

春はそこまで…

吊り釜の季節ですね~。
風もないのに、お釜がゆらゆら揺れて、なんとも風情があります。

先週は私も、盆だてをしました。
四方盆を拭きながら、新鮮な気持ちになりますね。

不思議な釣釜!

★まりぃさま
 こんばんは。
風もないのに釜が揺れていること・・・不思議ですね!
炭火が下から小さな風を起こしいるのでしょうね~きっと。
バタフライ効果ではありませんが、炭の火が小さな風を起こしてお湯のいっぱい入った重い釜を揺らしているのでしょう。おかげで釜に掛けた柄杓の先が畳をあっちにいったりこっちに来たり、お点前をしながらついつい落ち着きのない柄杓を見てしまいます。
四方盆も「三」に拭いたり「川」に拭いたり、帛紗は下から三枚目、上から三枚目・・・考えながらやれるのでゆっくりとした所作ができていいですね!
拭き清めるということの大切さ。
新しくそして清々しくなっていく心をも感じます。
落ち着いてそして綺麗なお点前を私は目指しています。
いつもコメントありがとうございます。

今月は我が家のお稽古も釣り釜です。

来月は透木釜・・そして初風炉・・季節はすぐに移っていくのですよね。

でもお茶は季節感があり楽しいですよね。

お互いに精進いたしましょう。

季節の移ろい!

★ハンナさま
 こんばんは。
お稽古で釜が変わっていくことも、裏千家で学ぶものにとって季節を楽しむことになるようでございます。お茶をなされていない方々よりも、釜やお道具でも季節を感じ取れるのは誠にありがたいことです。
 今月は残念ながら研究会の日が来週の土曜日ということもあり、今回は釣釜は外されて真台子を使ってのお稽古になりました。
真之炭、大円之真そして台子薄茶点前と中身の濃いお稽古になりました。
少しずつ忘備録のポイント項目が増えてまいりました。
来月からは透木釜。
お茶を始めてからもう七回目の春を迎えます。

すきな。。。

袱紗捌きを見るのが好きです。
丁寧で一つ一つに気を抜かない手捌きは絶品だとおもいます。

お濃茶が静かなる世界で点てられる事の意味が少しだけ分かったような。。。。気がいたします、が、お作法も知らない私がやっぱり最後に気になるのは、美味しそうな・・・です。
でも、白餡でないと食べられないのですけれど。

帛紗捌き

★さちりんさま
 おはようございます。
お茶のお稽古している時、以外なもので帛紗捌きの良し悪しというのはその日のお稽古に対する自分の向き合い方が正直に出るように思います。
帛紗の四方捌き、三方捌き・・・
齋藤先生からは自分の呼吸にあわせてゆっくりするようにといつも注意されております。
きっと急いでやっている自分のようです。
落ち着きがないと、お客様もゆったりといただけないでしょうね!
一つ一つ丁寧にを心がけます。
さちりんさんには白餡の主菓子(おもがし)で、季節にあったものを準備させていただきますからどうぞご安心ください。
いつもコメント感謝申し上げます。
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大に取り組んでいます。
昔からあった美しい東北の四季、それを彩る催しなどもお届けしていきます。

リンク
ブログ検索
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
QRコード
QR
いくつになったの?

天気予報

-天気予報コム- -FC2-
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ