風の森通信 第662号
第4回和の学校シンポジウム
■日時:平成22年4月10日(土)13時~
■会場:東京国際フォーラム ホールC
■主催:NPO法人和の学校、読売新聞社
まだ桜が咲いている東京。
和の学校シンポジウムは今回で4回目となり、東京では2回目の開催です。
開場は12時からでしたが、その前から多くの皆様が列を作られ約1,200名近くのお客様のご参加をいただきました。
私は2年前のシンポジウムの時と同様、今回もボランティアスタッフとしての参加です。
担当したのは会場案内係、そして「お茶湯の儀」のスタッフ。仙台分校からは他にSさんそしてKさんが和の学校会員の受付担当そして「お茶湯の儀」のスタッフとしてご協力をいただくことができました。
会場案内係ではご招待者の方々そして関係者や和の学校会員の皆様を指定の場所にご案内する役目です。
ご挨拶は讀賣新聞社東京本誌社長老川祥一様のご挨拶。
そしてNPO法人和の学校理事長の伊住弘美様から伝統文化の根底にあるおもいやりの心、自然や神仏への畏怖や感謝、美しい歳時記、衣食住の知恵と楽しさ。文化とは非日常ではなく私たちの暮しを支え潤いを与えてくれるものだとお話をいただきました。お茶を点ててみる香を焚いてみる、身近にできることからやってみてはいかがでしょうかと訴えられました。
第一部では裏千家今日庵、千宗室御家元による「お茶湯の儀(おちゃとうのぎ)」
「お茶湯の儀」は裏千家御家元が、茶道の礎を築いた千利休居士にこのシンポジウムの開催を報告し、感謝や思いやりの心にあふれた世の中につながるようにと願いをこめて一碗を捧げられるものです。裏千家の行事の中では行われますが、一般市民を対象にして行われるのは極めて異例なことです。
緞帳があげられる前、家元がお席に座られ静かにお待ちになっておられる時、静かな時間が舞台に流れていたように感じました。すべての準備が整った後に訪れる静けさとでもいうのでしょうか。その静けさに舞台脇で待機している私はなぜか心が高ぶったものです。それは緊張感と一緒に未知の空間と時間にいざなわれていくのだと思う時、誰でもが体験する瞬間なのかもしれません。ましてや千名を越える皆様方とご一緒に体験するということはなかなか得がたいものでした。
この空間と時間との出会いもまた一期一会。
御家元が利休居士に一碗を捧げられお辞儀をされた時、私も目を閉じ自然に頭を垂れていたものです。
「お茶湯の儀」が無事終えられ御家元が退席された後、第二部の「鼓童」の皆様方による和太鼓公演が始まるまでの10分間、「お茶湯の儀」で使われたお道具など一式を撤収するのが私たちの役目です。
実は前日の夕方、リハーサルの現場に立ち会うことができました。撤収の際、手際よくできるようにと事務局のご配慮をいただいたものです。ござが敷かれ畳や金屏風が並べられお道具が設えられていくものでした。
(前日の準備風景)
撤収は15名のスタッフで手際よく舞台から外され無事終了することができました。
約20分間の「お茶湯の儀」に、実に多くの皆様方が携わられていたのを知ることができました。わずかな時間の撤収作業とはいえ、なかなか得がたい経験をさせていただいたと思っています。
第二部は芸能で、「鼓童」の皆様方による和太鼓演奏。
第三部はパネルディスカッションでテーマは「伝統文化とくらし~みてみよう!やってみよう!~」
パネリストは志野流香道御家元の蜂谷宗玄氏、落語家の林家正藏氏、心理学者で東洋英和女学院大学教授の岡本浩一氏、そして作家の松井今朝子氏。
コーディネーターはNHK京都放送局のアナウンサー中川緑氏。
各界でご活躍の皆様方のお話に耳を傾けます。
詳細内容については4月30日の讀賣新聞朝刊に大きく掲載される予定と聞いておりますので、是非ご覧いただきたいと思います。
今回のシンポジウムで実に多くの皆様方との出会いが心に残ります。
和の学校仙台分校から、わざわざ着物でおいでいただいた会員の方もおられて本当に嬉しいものでした。
なかなか得がたい経験をさせていただきましたこと、和の学校事務局の吉田さんそして山下さん井藤さんには感謝申し上げます。
和の学校仙台分校へどうぞ
テーマ : 和風、和物、日本の伝統
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