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風の森通信 第663号


黄金の茶道具にて


■日時 : 平成22年4月17日(土)11時~
■会場 : 三越仙台店 本館7階ホール
■席主 : 玉川遠州流 渡邉 晋祥 氏

 
 仙台では桜が開花したばかりだというのに、あいにく朝から季節外れの積雪となりました。仙台の積雪は観測史上3番目に遅い記録とか。
六華窯の岩井先生からいただいたお茶席券で、初めて黄金のお道具を使ったお席に、友人のW先生と一緒に伺いました。
明日まで開催されている「大黄金展」添釜のお席です。


  床   大徳寺高桐院 松長剛山老師筆  清風満地

桜の咲くこの季節、清風はすべての存在を優しく包み込んでくれます。外は積雪でも、お席の中はあたたかくそして清らかな風が吹いてくれました。

   花   呼子鳥、夏椿、あざみ、大亀の木

 呼子鳥(よぶこどり)とは初めて拝見する椿です。
小輪で長筒のラッパ咲きと先生にお聞きしました。
遊んでいる子供たちに向って、ラッパのような小さな椿の花から聞こえてくる鳴き声とは、さてどのような声なのでしょうか。
名前がかわいらしくて記憶に残る椿の銘です。
そして大亀(おおかめ)の木が花入にあって、季節を感じさせてくれる花や木が荘られていました。

 お席で輝いていたのは純金でできた釜と風炉です。
24Kで重さはあわせて約10㎏の純金でできているとか。
棗も拝見させていただきましたが、蓋を取ると中は菜の花畑を見ているような景色です。

点てていただいたのも純金のお茶碗でした。
10名ほどのお客様全員に、古帛紗にのせられた金のお茶碗が手渡されました。

手に持つとずっしりとした重さを感じたので先生にお聞きしたところ、一碗の重さが370グラムとのこと。
熱伝導率が高いせいでしょうか、純金のお茶碗は直接触れると以外に熱く感じましたが、いただいたお茶の熱さは普通のお茶碗のお湯の熱さとあまり変わりはなく、おいしくいただくことができました。
でもお茶のお味がいつもと違ってマイルドな感じがいたします。
先生のお話では、純金のお茶碗にお湯を入れるとマイナスイオンが発生するとお聞きしました。
点てられたお茶には金箔が添えられ、マイナスイオンでお茶がすがすがしく爽快さをより感じることができたのかもしれません。
 心に残ったのお茶杓の銘は「任(にん)」
当代お家元が竹を見ながら作られたとのこと。
人の運命は人それぞれに天から任せられたもので、自分が道を選び自分で運ぶものであるということ。
自分が良しと思ったことをやり続けることが出来たら、運命を自ずから呼び込むとのことできるのだと教えていただきました。
任を全うすることこそが人の生きる道そしてそれは輝ける道。
清々しいお茶、誠においしゅうございました。



 今日のお稽古は、木曜日お稽古の先輩方と一緒に久しぶりに花月です。
炭付花月、濃茶付花月そして平花月。
炉を使ったお稽古はあと一回で半年のお別れとなります。
誠に季節の移ろいは早いものです。



和の学校仙台分校へどうぞ

テーマ : 和風、和物、日本の伝統
ジャンル : 趣味・実用

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黄金のお道具と聞いた時の印象と、
お写真を拝見した印象が全く違いました。
華やかで、清清しさが感じられました。

一つの宇宙

 おはようございます。
岩井先生にお茶席券をいただかなければ、このお席には伺っていなかったかもしれません。
印象として聞くのと見るのでは違っていて、見るのと実際にお茶をいただくのはこれまた違っていて不思議なものです。
お茶碗を口に近づけていただく瞬間はなにかドギドキしたものを感じます。そして茶碗の中は実に明るくて、いままでいただいた感じ方とはまったく違うわけです。
純金のお棗を拝見した時などは中の金色の輝き方が全くと言っていいほど異なっていて、これまで見たことも無い明るさの中に抹茶が存在しているわけです。
日記の中でお花畑と表現しましたが、菜の花畑の中に自分が居るような感覚になってしまったわけです。大袈裟かもしれませんが、一つの小さな宇宙の中に自分を見つけることのできる瞬間かもしれませんね。
まずはお道具に触れて見て、味わう、においを感じる、指で叩いて音を聞いてみるという基本的な五感を楽しまさせてもらったと思っています。それにプラスして清々しさまで関し撮ることができました。
敬遠せずにまずはお席に着いてみれば、感じるものが必ずあるものです。それも一つの出会いです。
是非、大阪でも機会がありましたら参加してみてください。
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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大そして、昔からあった美しい東北の四季とそれを彩る催しを発信していきます。ドイツで生まれたVEEH HARFE(ヴィーハープ)演奏にも取り組み、癒しの音色をお届けしていきます。

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