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風の森通信 第686号


春蘭茶会


■日時 平成22年9月26日(日)午前10時~
■場所 仙台市泉区高森市民センター 2階和室
■主催 茶道グループ春蘭(裏千家)

 毎年この季節に開催される「高森市民センターまつり」
今年のテーマは ~学び愛・ふれ愛・ささえ愛~
その中で、今年も茶道グループ春蘭の皆様方によるお茶席があり伺ってまいりました。
お席に入るといい香りがしてまいります。


 床   円山伝衣老師筆  無底貯清風

   花    紅白水引、秋海棠、秋明菊、藤袴
   花入   オランダ  デルフト製

   香合  神代杉 三本矢

    盆    千歳
         銀瓶
    薄器  ガラス 緑彩線文様
    茶杓  大亀老師作   銘 むさしの
    茶碗  柿釉黄点彩
     替   鳴子
    建水  紫交趾 唐草彫
    御茶  綾の森
    菓子  菊日和

 お軸には風が通り過ぎた跡のような清風の文字。
花入はオランダのデルフト製、白とブルーの鮮やかなコントラストに目が釘付です。そこに描かれていたのはオランダの風車。花入の絵の中から風が吹いてきて入れられた花々も揺れているようです。
その風に乗って沈香の甘い香りがしてきました。お席にいながら優しい風とその清々しさを感じ取ることができたのです。
神代杉を揺らす風の音や、三本の矢が射抜かれた瞬時の音さえ聞こえてきそうです。
私がおいしいお茶をいただいたお茶碗は鳴子。
お茶碗全体に編み笠が描かれ、お茶を飲み干したあとには鳴子が風でカタカタと音をたてているのです。二匹の雀がその音に驚いて勢いよく飛び跳ねています。黄金色に実った田圃の中に、金色の風が吹いているのが見えてきます。
主茶碗も拝見させてもらいました。柿釉で中には満天の星が散りばめられていて、今夜の夜空を思ってしまいます。
伝衣老師は淡々斎参禅の師、そして千歳盆は淡々斎還暦のお祝いとして奥様の清香院様が考案されたもの。
お道具組も楽しく、テーブルの上でのお点前はとても親しみやすいものでした。
綾の森そして菊日和。
春蘭のお席はいつも趣向が楽しく、季節のお道具や素敵でおしゃれなお道具をたくさん拝見することができます。
秋晴れの一日、おいしいお茶を一服点てていただく間の楽しいお話、そして清風をいっぱい吸い込むことができ、元気をたくさんいただいたお席でございました。
来年のお席も楽しみでございます。
 

 午後からは学校茶道連盟主催の講演会が宮城道場であり参加してきました。
「仙台藩の茶の湯」と題して野村美術館学芸部長谷晃氏による講演があり、伊達家伝来のお道具についてお話をお伺いしてまいりました。伊達家のお道具のほとんどが、県外の美術館などに保管さけれていることを改めて知ることができました。
藤田美術館に保管されている茶入中興名物の岩城文琳や、一宋梁楷筆普化、淡路屋釣船を一度拝見してみたいものです。


和の学校仙台分校へどうぞ

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爽やかな風

画像だけで、爽やかな風を感じさせて頂けるお席ですね・・・そして、何とも言えず品があり、それでいて楽しい。

ネットを通して、岡山まで届いてまいります。

ありがとうございます。

★YANさま
 こんばんは。
拙いブログでも、お茶会の雰囲気をお伝え出来て嬉しゅうございます。
華のあるお席とでもいうのでしょうか。
華・・・お席に座っただけでも、楽しくそして幸せ感が伝わってくるといったほうが分かりやいかもしれません!
お安い茶券でこうして楽しむことが出来るのは本当にありがたいことです。センター祭り茶会といえども、月釜と同じくらいの内容であるとともに、月釜ではなかなか見ることのできない品のあるそしておしゃれなお道具や、趣向なども存分に楽しむことのできたお席でした。
コメント感謝申し上げます。

秋ですね

オランダの花入のブルーと白がきれいですね。生けられているお花も秋を感じさせてくれて嬉しくなってしまいます。

どの花も好きですが、藤袴は最近見かけなくなりました。
枯れてもいい香りが持続して、自然の秋の香りにほっとします。

秋色!

★さちりんさま
 こんばんは。

>枯れてもいい香りが持続して、自然の秋の香りにほっとします。

 さちりんさんの感性なのでしょう!
総てが秋色の中、枯れても香りがしてくるという感覚はなかなか素敵ですね。枯れてもなお諦めず、花であろうとすることで香りを放つのでしょう。
枯れたその下で、生き生きとした生命力を感じ取ることができます。
いつもコメント感謝申し上げます。
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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大そして、昔からあった美しい東北の四季とそれを彩る催しを発信していきます。ドイツで生まれたVEEH HARFE(ヴィーハープ)演奏にも取り組み、癒しの音色をお届けしていきます。

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