風の森通信 第715号
初釜
待合床 福寿
本席床 松無古今色
花 白玉椿
花入 結晶釉瓢箪 岩井純造
香合 羽子板香合
棚 寿棚
水指 金彩竹
茶杓 松長剛山老師作 銘 春光
仙台は昨夜の小雪模様とは打って変わっての快晴。
おかげでお客様を腰掛待合にご案内することができました。
省略をせずに少し寒くても露地の風情を見てもらい、蹲踞を使って席入りしていただくのはいいものです。
今回の初釜は齋藤宗紀先生のご指導をいただきながら、亭主側の役を私と後輩の武田さんが担当させてもらいました。
お客様は齋藤社中の皆様方。
私が担当したのは迎付、主客の挨拶、初炭手前、懐石そして濃茶点前を担当させていただくことができました。
去年の十月に茶名披露のお茶事をさせていただいたせいか、全体の流れ、間のとり方、銅鑼の打ち方そしてお正客さまとのお話が前回よりスムーズだったような気がいたします。
濃茶席では友人から頂戴した古帛紗「古代錦」を初めて使いご披露させていただきました。
嬉しかったのは、襖を隔てて衣擦れの音でお客様の様子が少しは掴めたことでしょうか。そして武田さんが裏方で懐石料理を一手に引き受けてくれたことです。
炉縁が真塗りであったため帛紗を捌いてカギ拭きをしたり、座箒を持ち出して座掃きをしたり普段のお稽古ではあまり経験したことのない所作がありとてもいい経験をさせていただきました。
その後、後炭手前と薄茶点前は武田さんにバトンタッチしたこともあって、ようやく私もお客様として席入りです。
薄茶席で私がお薄をいただいたのは白梅のお茶碗。
梅の白、川の青そして流れを表現している金彩の色合いが私のお気に入り。日本人の美意識は季節の移ろいの中にこれから迎える季節の色を見つけ楽しむこともその一つなのかもしれません。
手にしているだけで迎える春の温かさが伝わり、梅の香りまでもが漂ってくるようです。
床には松、水指には竹そしてお茶碗は梅と揃いました。
今回の初釜には、新人の鈴木さんそして長島さんが初めて参加です。鈴木さんには飛び入りで薄茶点前を披露してもらいました。
次回のお茶事が楽しみです。
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