風の森通信 第729号
主菓子(おもがし)の銘
半杓のお湯を茶釜に戻しつつお菓子の銘の言葉を探す
H.23.2.26 冨樫 通明
昨日のお稽古も広間のお茶室。
広間にはお雛様が飾られていました。
六段目には嫁入り道具の一つである台子もあって、中には小さなお茶のお道具がきちんと並べられています。
一つ一つのお道具を目で追っていくのも楽しいものです。
齋藤先生はこうして毎年七段飾りのお雛様を飾ってくれるのです。
今回は大炉を使った後炭手前、内海茶入での濃茶そして筒茶碗での薄茶のお稽古でした。
齋藤宗紀先生にご準備いただいた主菓子はひちぎりです。
お点前をする人は、必ず季節にあったお菓子の銘を言わなくてはなりません。
お濃茶を練りながらいろいろと思案いたします。
練ってからお湯をまた追加し、半杓の湯をまた釜に戻す頃ふっと思いつくものです。
「さきほどはお菓子も大変おいしくちょうだいしました。ご銘は?」
「芽生えと申します」
「ご製は?」
「玉澤でございます」
「もうすぐ春ですね、芽生えたばかりの緑の色がとてもきれいでした」
正客の方もいただいたお菓子の感想を述べなくてはなりません。
季節の言葉を思い巡らすのは楽しいものです。
来月からはまた四畳半のお茶室に戻り、一年ぶりに釣釜のお稽古になります。
こうしてお点前やお道具も、季節にあわせたものが使われるのはお茶の楽しみの一つでございます。
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