風の森通信 第738号
幸せ色
お花見をする気になれない余震の日幸せ色をこの花にみる
H.23.4.23 冨樫 通明
今年もまた、雨の降る中でも乙女椿がたくさん咲いてくれました。
吸い込まれていくような感じです。
雨の雫が今にも落ちてきそうです。
見ているだけで地震があったことを忘れてしまうひととき。
そして心満たされる幸せ色なのです。
昨日NHKのラジオで風評被害について紹介されていました。
「福島県外に避難した先で、いわきナンバーの車に「原発」「放射能」と落書きされ、周囲の人たちの見る目が嫌になり、避難地に留まって生活することができずにまたいわきに戻ってきました」という内容でした。
震災後、毎日テレビや新聞などで「団結」「一緒」「絆」という文字を見聞きする度に、私達は守られているものだとばかり信じてきました。そんな話を聞くと、東北に住む人間として裏切られたという気持ちです。
これまで自衛隊や米軍、全国からの国家公務員や地方公務員の皆様方からのご支援、民間企業の多くの方々からのご支援をいただいております。そして日本全国の皆様方から義援金を拠出していただいたり、ボランティアの皆様方からの多くの支援をいただきながら現在に至っています。
そんな中、どうしてこのような行為が出てくるのかまったく腹立たしいものです。「風評被害」については世界的にも日本がそんな目で見られているのではという状況下にありながら、何故被災した日本国民同士がこんなことになるか残念でなりません。
これはごく一部の人によってなされた断じて許されない行為だと思っています。同じ日本という国に住む国民でありながら、福島県や東北というだけで人や物も差別する意識は、個人個人の意識の中にあるのだと気付かされます。
今日もまた、福島から避難した小学生が同級生の女の子にいじめを受け、足蹴にされて病院に入院したと放送されいました。大人たちの意識の中にそんな気持ちが少しでも言葉や態度にあったとしたら、必ず子供たちの心にまで悪影響を及ぼしていくものです。
そのような行為を行なった方々にこういいたい。
「あなたがそういう立場になったらどう思うのか」
東京電力福島原発で作られた電力は、これまでどこで使われてきたのかをもう一度考えてほしいものです。
今回の事故をきっかけにして、日本のどこにも原子力発電所は要らないということを、はっきりと自分の意志としてこの場を借りて申し上げたい。
原発の必要性は「NО」です。
当然再稼動も「NО」です。
これからの新設や増設についても「NО」です。
電気を使うことが当たり前のことになっている今、改めて皆様にとって原子力発電所が必要であるかどうかを皆さんにも問いたい。
当然私もできるだけ電気に頼らない生活を進めていかなければと思っています。同時に宮城県内にある東北電力女川原子力発電所の廃炉に向けた運動に、私もおくらばせながらこれから参加していきたいと思っています。
今回の風評被害についてもう一度申し上げます。
「風評被害の根本原因は、一人一人の心の中にある差別や区別する意識がそうさせる」
私はそう思っています。
今日のお稽古は台子後炭手前、真之行台子そして台子薄茶点前。
待合床 一病息災
貧乏神同居
しかもかくのごとくなりといえども
いのち明朗
いのち満点 みつお筆
床 忘己利他 寂聴筆
なんとか心を落ち着かせ心の広い自分になりたい。
来週は花月の予定でしたが、先生の都合により残念ながら取り止めとなりました。
次回のお稽古は五月七日、また風炉の季節になります。
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