風の森通信 第794号


 三月三日のお稽古


 仙台の積雪は十二センチ。
雛祭りの日の雪の記憶はあまりありません。
春が近いせいでしょうか、みぞれのような雪は午前中で道路の雪はすっかり消えてしまいました。
三月に入って初めてのお稽古で釣釜の扱いでした。
大炉での逆勝手からまた普段の所作に戻りましたが、一ヶ月間の癖を戻すのにも少し手が止まったりするものです。

 お床の花入には白侘助と伊予水木。

伊予水木の花は淡いクリーム色で、たくさんの花を付け小さな鐘を吊り下げたように下に花穂を垂れて咲いています。
まるで日本画のようなお床の壁の色と伊予水木の色の対比を見ているだけで、あたたかな春が近くなったことを感じることができたのです。

 お稽古は釣釜での初炭手前、菱盆を使っての盆点そして薄茶は茶碗荘り。
荘りものは濃茶と決まっているのですが、たまには薄茶のお茶碗を大事に扱ってみるのも心が改まるものです。
干菓子は秀衡塗の菓子器に入った雛あられ。

碗の直径は約二十センチほどの大きなものです。
秀衡塗とは平安時代末期に平泉で栄えた藤原氏第三代当主の藤原秀衡(ひでひら)が、京より職人を招来しこの地方特産の漆とみちのくの金をふんだんに使って器を造らせたのが起源とされているものです。
特徴といえば朱・黒・金を基調にした色調と、源氏雲という雲の形と縁起の良い鶴や草花の文様に「有職菱文様(ゆうそくひしもんよう)」と呼ばれる菱形の金箔が施されていることです。
それはとても華やいでいて品を湛えた器の佇まいは、奥州藤原家の反映と豊かな黄金文化を反映しているかのようです。
 齋藤宗紀先生が五十年近く前に盛岡の方にお祝いの品としていただいたとのこと。季節毎のお祝いや畏まった場などにふさわしいのではないでしょうか。
平泉に伺った折にでも是非手に入れてみたい漆器です。
そして秀衡塗の煮物碗に、私が育てた野菜をたっぷり煮込んでいただいてみたいものです。


和の学校仙台分校へどうぞ

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秀衡塗りの器にひなあられなんてぜいたくですね。

以前友達が秀衡塗りのお椀をもっていて、使わなかったので、もったいないから使いなさいと言ったら、趣味じゃないから上げるわと言われ、嬉しくって、凄く高級な器なのにいいの?と言ったら、やっぱり止めたとしまわれてしまいました。

高級なんて言わずにおけば良かったと思いましたが、後のまつりでした。

お気に入りの器があるとお稽古も楽しさが倍増することでしょうね。


残念でした!

★さちりんさま
 秀衡塗りは最近ではたしかに高価なお碗になってきているようです。
でも使ってあげるのがお碗にとっては一番嬉しいことなのではないでしょうか。
使い込むことによってまた味が出てくるように思います。そして愛着も!
いつもコメント感謝申し上げます。
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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大に取り組んでいます。
昔からあった美しい東北の四季、それを彩る催しなどもお届けしていきます。

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