風の森通信 第326号


 九月九日は「重陽(ちょうよう)の節句」。
九は陰陽五行思想の陽(一、三、五、七、九)の数の中で、一番大きな陽数としてめでたいとされる究極の数。
九が二つ重なることから重陽と呼ばれています。
五節句の一つで別名「菊の節句」とも呼ばれ、お酒に菊の花を浮かべながら祝う風習などがありました。
三月三日の「桃の節句」、五月五日は「端午の節句」、そして七月七日「七夕」はよく知られていますが、九月九日の「重陽の節句」はあまり一般的ではありません。
今では華道や茶道そして能楽の世界でしか、それに接する機会がなくなってきています。

 今日のお稽古で「菊慈童(きくじどう)」の話を、斉藤宗紀先生から教えていただくことができました。
中国の昔のお話で、山の麓から不老不死の薬の水が流れでるという噂が広まり、役人達はその山に向かいます。人も住まない山奥に庵があり、その中に童子が住んでいました。話を聞いているうちに童子の年齢が七百歳を超えていることが分かったのです。
山中にたくさん生えている菊の葉に経文を書き、そこにたまった露が流れ出て不老不死の水になったと語り、その水を帝に勧めるというお話。
菊の節句の前夜に、菊の花の上に丸い綿を被せて、重陽の朝に朝露に濡れたこの綿で肌を撫でると長寿と災難から免れるといわれ、その綿のことを「着綿(きせわた)」として重宝されてきました。昔の人は「着綿」を着物の中にいれるなどして、長寿を願ったともお聞きしました。
春に咲く桜とは一味違った思いが、菊の花にはこめられてきたようです。

 我が家の庭の畑には、食用菊を一種類だけ植えています。
「延命楽」別名「もってのほか」と呼ばれているもので色はピンク。
母からは「天皇家の御紋の菊を食べるのはもってのほか」と言われてきたのですが、そのわりには昔からよく食卓に並んでいたものです。
菊の花を食べるのは山形県内だけの食文化。
茹でてさっと水で洗い、醤油または三杯酢でいただくものでシャキシャキして歯ざわりもよく、口の中で菊の香りが広がりそれは美味しい山形の秋の味覚です。
菊の花を食べるというなんとも優雅な食文化。
秋になるとよく食べているので、百歳はゆうに健康体でいられるはずなのですがさてどんなものでしょうか。
まだこの時期は菊の花はご覧のとおりの蕾です。

photo_18090901jpg

これも新暦による季節感の違いでしょうか。
菊苗は一列植えているので今月の下旬頃から食べられるはず。
待ち遠しいものです。

     「お茶杓の銘は」
     「菊重(きくがさね)と申します」   と応えてみました。

 今日のお稽古は小習の「盆香合」「茶碗荘(ちゃわんかざり)」そして特殊点前の「流し点(ながしだて)」
「流し点」は普段使えそうなお点前なので、是非覚えておきたいものです。
昨夜作った「浮島」を十個ほど持参してみました。
手作りだけになんとか皆様方には食べていただくことができました。
さて次回はどんな主菓子に挑戦するか楽しみです。

 来週九月十六日(土)は、正会員として宮城支部研修道場での研究会に初参加となります。
内容は今日のお稽古で教えていただいたお点前の他に「貴人清次花月」
先生は京都の高橋宗健業躰先生とのこと。
どんな研究会になるのでしょうか今からどきどきです。

和の学校仙台分校へどうぞ
 

テーマ : 趣味と日記
ジャンル : 趣味・実用

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食用菊

はじめまして・・・

岩手でも菊(黄色)をいただきますよ。
ちょっと癖があって子供の頃は嫌いでした。
干菊も売っていますね。

ようこそ「風の森」へ!

 はじめまして冨樫(とがし)です。
岩手でも菊を食べる食文化があるのでしょうか、そして干菊も。
山形だけではなく東北的なものなのですね。
これからの季節、ピンクと黄色の「もってのほか」を一緒に茹でていただくことができます。
少し甘みがあってシャキシャキした食感がたまりません。
菊の花には申し訳ないのですが・・・
でもしばらく鑑賞してからいただくことにいたしましょう。

 数年前毛越寺に友人たちと一緒に旅したとき、庭園内に「あやめ」の花がきれいに咲いていたのを覚えています。そして池を眺めていると心癒されたものです。
今後ともよろしくお願いいたします。
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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大に取り組んでいます。
昔からあった美しい東北の四季、それを彩る催しなどもお届けしていきます。

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