風の森通信 第336号


夜寒 

 「お茶杓の銘は?」
 「夜寒(よざむ)と申します」

 十月半ばの仙台は、日中の最高気温が23℃そして夜の気温が10℃とその差が大きくなってきました。
夜の寒さが一際冷たくなってきたことを感じてさせてくれる今日この頃。仕事で遅くなってバス停からの帰り道、夜寒に思わず首をすくめてしまいます。
夜寒という言葉からは、夜空に月が輝き風の音と野辺にゆれる秋草のそよぐ音しか聞こえてこない、そんな静かな情景を思い描くことができます。名残りの十月、侘びた風情が一層心の内にも漂ってくるものです。

 今日のお稽古は五行棚(ごぎょうだな)を使った初炭点前、濃茶点前そして薄茶点前。
五行棚の上には中棗(ちゅうなつめ)根来(ねごろ)塗が荘られています。

photo_18101401.jpg

 五行棚とは裏千家十一代家元玄々斎宗室好みで、乾坤(けんこん)の間に木火土金水(もっかどごんすい)の五行が納められていることから名付けられた棚と、斎藤宗紀先生に教えていただきました。
乾坤とは天板と地板、木は竹、火は炭、土は風炉、釜の金そして水がこの棚の中に全て納まっているというもの。
風炉が畳の中央に置かれ、寒くなってくるこの季節に少しでも火をお客様に近づけようとする亭主の心尽くしのお点前です。
細長い水差しが普段とは逆の勝手付に置かれ、目の前には柄杓があったりいつもと違うお道具の配置に戸惑ってしまいます。

床       清風明月
花       白の秋明菊
濃茶茶碗  唐津  中里太郎右衛門
薄茶茶碗  京焼  月に秋草
薄器     内海(だいかい)

薄茶の菓子はご覧のとおり、黒漆の器に月と枝柿そして秋草が配され、月の光もそれぞれに映りまるで一枚の絵を見ているようです。

photo_18101402.jpg

 お茶を点てている自分、そして先輩たちが点ててくれたお茶をいただいている自分。
この季節、この瞬間だからこそ味わえる季節感。
瞬間、瞬間を大事にしたいものです。
これからもこの瞬間を積み重ねていくことができたら、本当の自分になれそうです。夢を日々思い描いていくこと、そしてお茶のお稽古をこれからも続けていくことで、自分の将来がちゃんと見えてくるのではと思っております。
自分と自然との係わりを、今日このお茶室でじっくり味わうことができたのです。

 今日の写真は、お稽古仲間のさんの携帯からご提供いただきました。
感謝申し上げます。

和の学校仙台分校へどうぞ
 

テーマ : 趣味と日記
ジャンル : 趣味・実用

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驚きました!

 「寒くなってくるこの季節に少しでも火をお客様に近づけようとする亭主の心尽くしのお点前。」
流派は違ってもお客様をおもてなしする気持ちは同じなんですね。
それにしても、茶花も同じだったなんて本当に驚きました!
そうそう、水差しや柄杓の位置に戸惑いますよね。
お菓子も晩秋の風情でとても素敵です。

晩秋!

 小さな炎を亭主も客も一緒になって取り囲むのは、十月という名残りの侘びた季節だからでしょうか。
こうして季節を感じながら、いただく一碗のお茶は誠においしくそして有り難いものです。
写真はお稽古仲間のさんからいただいたものです。メールでも他の方々からもお褒めの言葉をいただいた素敵な写真でした。

Sangoさんのお稽古の様子や、お茶会のご報告これからも楽しみにしております。
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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大に取り組んでいます。
昔からあった美しい東北の四季、それを彩る催しなどもお届けしていきます。

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