風の森通信 第911号
雛の席
広間では七段飾りが私を迎えてくれました。
会うことも別れることも今日一日だけの雛人形。
お花は蝋梅(ろうばい)。
寒く雪の多いこの季節に梅より先に咲くお花です。
だからこそ愛しく感じられる花なのかもしれません。
庭に積もった雪を見ながら、雛段の脇に並んで正座している私です。
あと幾度この雛人形たちと会えるでしょうか。
雛のしもべにでもなって、もっともっと長生きしたいと思ってしまいます。
「お茶杓の銘は?」
「采女(うねめ)と申します」 と応えてみました。
嬉しさや楽しさは薄桃色の菱餅、そして萌黄色した干菓子を頂くことができました。
外は快晴、光の春でございます。
今日は大炉と更好棚を使っての後炭手前そして続き薄茶点前。
焙烙を使っての後炭手前は年に一度のお手前です。
来週はもう三月、お稽古は釣釜と齋藤先生から予告がありました。
寒さもそろそろ底なのでしょうか。