風の森通信 第340号
「花月之式(かげつのしき)」
江戸中期、表千家七世如心斎宗左と裏千家八世又玄斎一燈宗室が、茶道の正しいあり方の確立のため、共に「七事式(しちじしき)」を制定されました。
その中の一つとして「花月之式(かげつのしき)」があります。
折据(おりすえ)といわれる厚紙の折箱の中に、花月札(かげつふだ)といわれる五枚の札が入れられ、花の札をひいた人がお点前を、月の札にあたった人は茶を飲む役としてのお稽古です。
主客五人で行われ、薄茶を点てることが基本となっていて、花月之式では四服点、付きものの場合は三服点まで繰り返されることになります。
付きものとしては「炭付花月」「濃茶付花月」「貴人清次花月」など多くの花月があり、茶道の心技修行のために制定されたのだと斎藤宗紀先生に教えていただきました。
今日は、「炭付花月」「濃茶付花月」の付きもの花月と、基本となる「花月之式」のお稽古です。
床 「平常心是道」 びょうじょうしんぜどう
定められたことの積み重ね、繰り返すことによって少しでも道を極めることを指し示してくれています。近道などしないで、基本を大事にしていくお稽古こそが平常心というのでしょうか。
月に一度の花月のお稽古は、私にとって一ヶ月間のお稽古の締めくくりとして大事な時間です。
客の席に座ると、陽のあたる縁側に「眉刷毛(まゆはけ)」が咲いているのが見えてきます。
ちょうど今が見頃でしょうか。
アマリリスにも似ていますが、葉をみると多肉植物にも見えてきます。花が終わると、ルビーのような真っ赤な実を付けてくれるのでそれもまた楽しみなこと。
管理はいたって簡単なようで、葉には水はかけないことだけだとお聞きしました。しかし寒さには弱いので、冬はできるだけあたたかい部屋に置くようにとのこと。
昨年、斎藤先生から一鉢私もいただきました。
そして今日、お稽古仲間のUさんも一鉢いただいて帰りました。
さてさて、今年はどんな色の赤い実をつけてくれるでしょうか。
明日は山形県寒河江市でのお茶会に行ってきます。
半年ぶりに、煎茶道方円流の遠藤先生にお会いすることも楽しみなこと。それに山形特産の洋梨である、ラ・フランスがおいしい季節になっているはずです。
そして来週11月3日は、仙台市芸術祭仙台市泉区文化祭で沢藤先生のお茶会、その後に東北大植物園内で開催される「もみじの賀」茶会に参加、翌4日土曜日は斎藤社中の炉開きそして5日は福島県いわき市植田でのお茶会とお茶三昧の日々が待っています。
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