風の森通信 第938号
秋の奥州三十三観音巡礼
今回の奥州三十三観音巡礼は、宮城県北に位置する涌谷、南方、東和そして中田にある六札所を巡ってきました。
その中でも印象的だったのが登米市東和町にある法輪山大慈寺と竹峯山華足寺(ちくぶざんけそくじ)。岩手県に隣接する町であることもあって、藤原三代そしてその後伊達家の庇護のもと千二百年の歴史をもつ寺が点在しています。
最初に訪れたのが大慈寺。
観音堂は本堂左手に有り、ここも例にたがわず鍵が掛けられていて中に入ってお参りをすることはできず、外でお参りをするだけというものでした。その後御朱印を頂きに庫裏に伺ったところ、ご住職より客間に案内されお茶を何杯もいただくなどしてお話をいろいろお伺いすることができました。こんなにゆっくりお話ができたのは初めてのことで大変ありがたいことでした。
本堂にも案内していただき、一通りの巡拝作法をさせていただくこともできました。特に驚かされたのは本堂の御本尊である釈迦牟尼仏像。ここでは詳細のご説明は出来ませんが、大慈寺の御本尊は東北では一つしかないという非常に珍しく貴重なもので、一度訪れて拝見する価値のあるものです。
境内やお堂もとてもきれいで明るく何度でも伺いたい寺院です。
次に尋ねたのは華足寺。
広い境内には大きな乳銀杏の木が枝を広げて聳えています。ほとんど落葉したようで下はご覧のように黄一色です。
落葉は北風に舞い、少し弱くなってきた太陽の光に影が長く感じられるようになってきました。日ごとに昼が短くなり、たちまち夕闇が訪れる時節です。
ゆるゆると時が積まれてゆくように 落葉おち葉は絨毯のごと
H 26.11.5 冨樫 通明
華足寺の御本尊は馬頭観世音菩薩。
観音堂の大きさは最上三十三観音とは比較にならないほどの規模のものです。そして歴史を感じる観音堂が多いのも奥州三十三観音の特色かも知れません。
これより先の岩手県では、雪の便りが聞かれる時節になってきました。岩手県内十四札所の巡礼は来年の楽しみにするしかないようです。
今日のお稽古は、半年ぶりに炉のお稽古です。
炉の初炭手前、貴人点濃茶そして薄茶平点前。
来週は研究会のためお稽古はお休みとなります。
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