風の森通信 第941号
今年最後の三十三観音巡礼
12月1日午前7時30分雨模様の仙台を友人たちと一緒に車で出発し、奥州三十三観音今年最後の巡礼です。
岩手県内の天気予報は雪の予報だったこともあり、今回は特別霊場に指定されている毛越寺(もうつうじ)そして中尊寺のみを巡礼することにして、今年の巡礼の打ち上げとして花巻温泉で一泊してきました。
最初に訪れたのが冷たい雨が降りしきる医王山毛越寺。
天台宗で御本尊は薬師如来、美しい浄土庭園は国の特別史跡・特別名勝に指定されています。奥州藤原文化を今に伝える名刹です。
(文字)
奉拝平成二十六年十二月一日
薬師如来
平泉医王山毛越寺
(印)
右上白文印は医王山
中央の梵字は薬師如来をあらわす「ベイ」
左下朱文印は毛越寺印
次に訪れたのが天台宗関山中尊寺。
嘉祥3年(850年)慈覚大師を開創とし御本尊は阿弥陀如来。
訪れた日が12月1日ということもあって、本堂では大般若経が行なわれていました。せっかくの機会なので本堂の中に入らさせていただき、般若心経などを一緒に唱えさせてもらい貴重な体験をさせてもらったのです。
大悲閣でお参りと納札そして金色堂を久しぶりに見学させていただくことができました。
(文字)
奉拝平成二十六年十二月一日
中央の梵字は阿弥陀如来をあらわす「キリーク」
関山中尊寺
(印)
右上の印はよく分からず・・・
中央上段は関山、下段は中尊寺印
宿泊は花巻温泉ホテル千秋閣。
同じ系列会社であるホテル花巻2階館内に「佛法には明日ということあるまじく候」の額装有り。
今年最後の巡礼の締めくくりのお言葉として、明日には自分の命がないものとして今を一所懸命に生きろということでょうか。
ありがたいと思うと同時にまた厳しいお言葉でもあります。
御染筆は円満院門跡道明とあります。係りの相馬様に詳細をお聞きしたところ、岐阜県大津の円満院門跡第五十六世三浦道明(みうら どうみょう)老師と教えていただきました。私も通明という名前なので、親しみを感じることができたのかもしれません。
ホテルの夕食は半バイキング料理というもので、メインの肉料理の他に東北各県の名物鍋料理をいただくことができました。私がいただいたのは山形の芋煮鍋、秋田のきりたんぽ鍋、青森の煎餅鍋、岩手のはっと鍋等々・・・他には岩手地元の食材がふんだんに使われていることもありがたいことでした。
お風呂もホテル千秋閣、ホテル花巻、ホテル紅葉館のそれぞれの温泉を巡れるという特典もあって大いに楽しむことができたのです。
2日の朝早く起きてみると雪が降っていました。
朝食をいただきながら眺める大きなガラス窓の光景は、山並みを背景に雪の降りしきる一枚の絵を見ているようです。
私にとっては今季初めての雪となりました。
部屋に戻って窓から見える光景は色が消えてしまったモノトーンの世界。
これからの季節、枯木が残らず白い花を咲かせる冬の花巻。
春になって若葉が芽吹く頃にまたお伺いしたいものです。
帰りはのんびり国道4号線を南下し、途中一関駅前にある「ふじせい」に立ち寄り、名物の「ひと口もち膳」をいただいてきました。
お雑煮、納豆もち、くるみもち、じゅうねもち、あんこもち、ずんだもち、しょうがもち、ごまもち、えびもちそして大根おろしと白菜の漬物です。一度に九種類の餅をいただくことができます。一関は昔から餅文化が定着しているところです。餅米を聞いたところ地元産の「こがねもち」とのこと。もっとあたたかなお餅をいただけるのかと期待したのですがちょっと残念です。
今回の巡礼で今年の目標であった最上三十三間観音巡礼の10回目の結願と、奥州三十三観音札所の約半分をまわったことになります。事故も無くまわれたことを観音様に感謝しているところです。来年の春からの巡礼で、どんな出会いが待っているのか今から楽しみです。
先週のお稽古は真之行台子そして台子薄茶点前。
今月から初釜の準備のためのお稽古の予定です。
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