風の森通信 第968号
山形県庄内地方の旅
久方ぶりに庄内の旅を満喫してきました。
訪れたのは加茂、由良、鶴岡そして酒田。
最初に訪れたのが鶴岡市立加茂水族館。
この水族館の特徴はなんと言ってもクラゲがメインに展示されいて、その数は50種類以上で常時35種類が展示されておりギネスにも認定されている水族館です。
大人の私でも、その透明な色や形そして不思議な動きにじっと見入ってしまいます。
大きなものから小さなものまで無数に動いています。
水の流れに身を任せてコロコロと転がっていったり、ゆらりゆらりと浮いたり沈んだり。
下写真はクラゲだけが展示されている大型水槽。
平日にもかかわらずたくさんのお客様でにぎわっていました。
加茂水族館の近くに、庄内三十三観音第二十五番札所である明石山竜宮寺があります。少し高台に有り加茂の港が一望できるところです。
竜宮寺とは一度聞いたら忘れられない寺名です。
住職がいつも不在のお寺であったので外で参拝していたところ、お堂を管理されている方がわざわざおいでいただき鍵を開けてもらうことができました。観音堂専用駐車場に車を停めていたところを見つけてもらい、参拝者が来ているのだと分かったようです。おかげさまで堂中で参拝させていただき仏前に納札することもでき、世話人の方からご朱印を頂戴してまいりました。
誠にありがたくそしてラッキーでした、おかげでこれからの庄内三十三観音巡礼のいいスタートを切ることができました。
無住寺の魚板叩けば春の風 2015.4.15 冨樫通明
天気も快晴だったこともあり、訪れた由良海岸から見える海の青さが目に沁みます。この海岸は「日本の渚百選」そして「日本の夕日百選」に選ばれているところです。
海にぽっかり浮かんだ小さな白山島はなんとも美しい島です。
島には朱色の狭い橋をゆっくり歩いて渡り、白山神社に参拝してまいりました。空と海の青さ、砂浜の白そして松の緑がそれぞれ輝き、美しくきれいな場所に神様がおられるのだと感じたものです。
ちょうど当日は祭日にもなっていたこともあり、参拝後はお神酒を口に含んできました。祭日にたまたま訪れたことも何かのご縁、また伺いたい御社となりました。
鶴岡市には「日本さくらの名所百選」に選ばれている鶴岡公園があります。ソメイヨシノなど730本の桜が咲き乱れる美しい公園で桜はちょうど満開で見頃でした。
公園内にある荘内神社にもお参りしてまいりました。
境内の一角にあった椿です。
この椿の銘は“羅撰染”(らせんぞめ)
椿の木は神社には欠かせない御神木です。稲田姫命(いなたひめのみこと)が社に椿の枝を地面に挿し、そこに根付いたことからどこの神社でも椿の木は植えられているようです。
最後に訪れたのが酒田市。
訪れたのは山居倉庫、本間家旧本邸、桜が満開だった日和山公園と隣接していた下日枝神社、最後は本間美術館を巡ってきました。
本間美術館の美術展示会場では特別展「蒼山コレクション」、清遠閣では常設展として浮世絵版画やお茶碗などを拝見することができました。
お抹茶をいただき、お庭からは鳥海山の雄姿を眺めることが出来たのです。
万物は自然がそして神が創り出したもの。
色そして姿形が実に美しいものと改めて確認することができ、またそれぞれの「気」を感じることができた旅だったのです。
旅に一歩足を踏み出すと一瞬一瞬目の前の景色が変わっていきます。
旅は学びであり五感が刺激され自分の体や意識の中に入ってきます。周りの景色が変わるとその都度色々学ぶことがいっぱいで、それは自分が変化することだと思っています。
旅する時は一生懸命で常に五感をフルに働かせるものです。
行程を考え、長時間の体力勝負、見たり触ったり匂いをかいだりして確認。記憶する写真も美的センスが問われ、いただく食事も五感を働かせます。旅をしながら学び自分が少しずつ変化しながら生きていることにつながります。
自分が変化することによって見る角度もまた違ってくるものです。
健康なのに家の中にテレビやインターネットがあるからと旅をしない人は、体を動かさず金も使わず家に閉じこもりがちになるものです。旅が好きでない人は自分が変われないから損をしているように思えてなりません。
旅を続けるということで新たな発見をし、少しでも成長していく自分でいたいものです。
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