風の森通信 第997号
春蘭薄茶席 (裏千家)
■日時:平成二十七年九月二十七日
■場所:仙台市泉区高森市民センター(市民センター祭茶会)
床 清香院様筆 扇面
故郷の花咲く春も 散る萩の 秋の小径も胸に夢みる
花 宗旦槿、紅と白の萩、秋海棠、藤袴、矢筈芒、水引
花入 青海波掛花入 竹雲斎造
清香院様が仙台から遠く京都の裏千家十四代家元千宗室(淡々斎)と結婚され、国際茶道文化協会理事長などをつとめられ,茶の湯の海外普及にもつくされましたが、いつも故郷の仙台を思われていたのでしょう。
宗旦槿は残花となるのでしょうか、小振りになったものの楚々とした趣があります。秋の花々と一緒に七種ほど入れられ野の風を感じさせてくれます。
棚 御園棚
釜 冨士釜 敬典造
水差 結晶緑釉 純 造
薄器 ガラス 緑彩線文様 尚男造
茶杓 紹尚禅師作 銘 笹舟
茶盌 唐子遊 満之造
お席のテーマは“ふるさと”
お席には地元作家さんの作品が並びました。
青葉区田尻在住の岩井純先生の水指は十五・六年前の作品とのことで淡い感じの素敵な器です。
太白区秋保在住の鍋田尚男先生が造られた線紋茶器は、板ガラスを組み合わせて作られているとのことで見る角度により輝きが違って楽しむことができます。お茶盌は三人の唐子たちがそれぞれ松竹梅の枝を肩にかけ、夕焼けに染まった故里の野原を駆け回って遊んでいる様子が活き活きと描かれています。
替 赤膚焼 山路 昭山造
建水 鵬雲斎大宗匠好 蹴鞠 浄雲造
蓋置 浅葱交趾 桔梗 竹泉造
御茶 淡松 井ヶ田園詰
菓子 里の秋 白松がモナカ本舗
主催の春蘭の会をご指導されているのは泉パークタウン高森在住の佐藤宗智先生です。会員の皆様の所作がとても丁寧で心こもったおもてなしに感謝でございます。
お道具の組み合わせそして色使いに、優しさとおしゃれ感を味わうことができたお席だったのです。
お席の特徴はなんといってもお点前の御園棚席の右側にもう一つお点前のお席があることです。
一般的に陰出しの場合、水屋でお茶を点ててお運びいただけるのですが、こうしてお客様の前で丁寧にお茶を点ててもらえるのは誠にありがたいことです。
メンバーは佐藤先生を入れて九名とのことでした。
お点前をする人、陰出しのお点前の方々、お運びの人、受付の人そしてお話をいただく佐藤先生と、メンバー全員がフル稼働ですが、お一人お一人が持ち場で手を抜くことのない心こもったおもてなしです。
お稽古は月二回ほどとお聞きしました。
お茶に興味のある方は是非 高森市民センター までお問合せください。
見学も可能のようです。
お天気にも恵まれ、外に出ると秋風がここちよく頬を通り過ぎていきます。
おいしいお茶とお菓子、佐藤先生の楽しいお話、そして春蘭の会員の皆様方の心からのおもてなしは今年の秋の楽しい思い出の一つとなりました。
佐藤先生はじめ春蘭の皆様方どうぞお疲れ残りませんように。
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