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風の森通信 第2053号


高森市民センター祭茶会



・日時:平成二十八年九月二十四日(土)午前十一時~
・場所:仙台市泉区高森市民センター 二階和室

 高森市民センター祭で毎年「春蘭茶道クラブ」のお茶席が設けられます。
「春蘭茶道クラブ」は既に創立二十数年になり、佐藤宗智先生がご指導を始められてから十三年目とのこと。月に二度のお稽古をしてこられたことに感謝を込め、今年もお席をもうけさせていただきましたとのご挨拶がありました。


■春蘭薄茶席

 床 三浦承天老師筆  清寂


 三浦承天老師は宮城野区福室の西光寺に生まれ、その後瑞巌寺そして妙心寺二十三代管長まで務められ、宮城とはご縁の深い老師とご紹介をいただきました。
“清”は和をもってお互いに敬い合いながら、清らかな姿で、清らかなお茶室で、清らかな心で、清らかな目で・・・見た目も心の中も清らかにすること。
“寂”は何事にも動じない心でお稽古に励まれているとのことでした。


  花    秋海棠、藤袴、秋明菊、黄蓮華升麻、萩、縞葦、水木
  花入  備前耳付


 花入の正面には満月が現れていて、そこには七種の秋の花々が入れられ、野原の景色に風が吹き縞葦の曲線が優美です。

  御園棚にて
 
    釜                   敬典造
    水指   染付七福神俵        淡幽造
    薄器   住吉蒔絵大棗 
            鵬雲斎大宗匠在判箱 華正造
    茶杓   鵬雲斎大宗匠  銘 無事
    茶盌   大樋 掛分糸目筋紋      年雄造
     替     子午線             阿山造
     建水  紫交趾唐草彫         翠嵐造
     蓋置  交趾             翠嵐造
     御茶  綾の森            上林詰
     菓子  菊寿             白松がモナカ本舗製
     菓子器  長盆


水指 染付七福神俵  淡幽造



 水指は俵型で両脇には福寿の文字が入れられ、蓋の摘は打出の小槌 、中には七福神の絵が描かれています。大黒天、毘沙門天、恵比寿、寿老人、福禄寿、弁財天、布袋尊の七つの神様が仲良く並んでいます。七福神によって七つの災難が除かれ、七つの幸福が授かるようにとのことでした。
水指の底は枡型で、豊かな実りを約束してくれるとてもたっぷりとした存在感のあるものです。


替   子午線     阿山造


 地球の子午線は十二支での方位子(北)と午(南)とを結ぶ線。
陰陽五行説では陰と陽の境目にあたることから、時間を大切にするという意味がこめられているようです。目の前に実在するお茶盌と御園棚の天板を境に映っているお茶盌の関係も、陰と陽の関係といえるのだろうか。
斬新な色使いと流れが大胆なせいでしょうか、ついその境の線に目がいってしまいます。




 お席には地域の皆さま方そして近くの小学校の生徒など多くの方々が参加されていました。年に一度のお席を楽しみにされている方もおられ、すっかり地域に溶け込まれたお席でした。毎年お道具組みの楽しさや佐藤先生のお話の面白さがとても楽しみで、来年のお席も今から待ち遠しいものです。

 「春蘭茶道クラブ」の皆様方の心づくしのおもてなしに心を残しながら、高森市民センターを後にしたのです。


和の学校仙台分校へどうぞ

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No title

三浦老子の「静」と「寂」の話しは興味深いです。茶道の神髄は、「心のありようで、大きな変化にかわるのですね。
お道具も興味深く拝見しました。

No title

岩井先生
 こんばんは。
 佐藤先生のお席はいつも学ぶことが多いお席でございます。
今回のお席のお軸は「清寂」というもので、静かではなく清らかという字が使われているものでした。
一般的には「静寂」ですが佐藤先生のお話のように「清らかな姿で、清らかなお茶室で、清らかな心で、清らかな目で・・・見た目も心の中も清らかにすること」という意味で「清寂」となっているとのことでした。
静かだけではなく清らかなことが茶人にとってとても大切なことなののだと学ことができました。
コメント感謝申し上げます。
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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大そして、昔からあった美しい東北の四季とそれを彩る催しを発信していきます。ドイツで生まれたVEEH HARFE(ヴィーハープ)演奏にも取り組み、癒しの音色をお届けしていきます。

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