風の森通信 第2114号
書の暦 師走
“走”るという字がまるで勢いよく駆けていくようにも見えます。
一番右の字が“壺”、その左が“中”そして左下が“天”
左側にいる人が壺に向かって歩いて、そのあと階段をよじ登って壺の中に入ってしまうのではないかと見えてきます。
壺中(こちゅう)とは壺の中の別天地、仙境のことでありひいては悟りの妙境。
翻って私自身に置き換えてみると、壺中という限られた狭い空間で右往左往しながらあくせく働いて生きている自分の世界なのかもしれません。しかし壺の中での心の持ち方で、単なる混沌とした器の壺であったり、仙人のすむ仙境であったり、悟りの妙地となるのであろうか。
人として生きている限り、全ては心の持ちうようなのかもしれない。