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風の森通信 第727号


「つや姫」


 久しぶりに私が朝ご飯の準備をしてみました。
山形県産のお米である「つや姫」を先日いただいたので、どうしても私が炊いてみたかったのです。
炊き上がってまず最初の楽しみは香りです。
電気釜の蓋を開けると、炊きたての芳しい香りが広がります。

お茶碗にお米をよそってみると、お米の粒が大きくて真っ白に光っているのがまず目に飛び込んできます。素人の私が蛍光灯の光の下でデジカメで撮った写真ですが、米の一粒一粒に艶があり見ているだけでも食欲をそそられます。
いただいてみるとほどよい粘りと旨さが口の中に広がってきます。
お米だけでもお茶碗半分を食べてしまったほどで、お米がご馳走と思えたのは初めてかもしれません。

 「つや姫」は山形県産の新しいブランド米で、県が十年間研究を重ねて誕生させた水稲品種。

食味ランキング(お米の美味しさの評価)を行っている「財団法人日本穀物検定協会」の食味官能試験(実際に食べてみて、食味を判断する)において、外観については「艶がある」「粒が揃っている」など、味については「甘みがある」「うまみがある」などの評価が得られ、農業総合研究センターの食味官能試験でもコシヒカリを上回る結果となっているようです。
名前の由来はお米は粒が大きくて、色白でツヤツヤ輝いているということで決まったとのこと。
「白いごはん」が大好きな人には最高のお米といえるのかもしれません。しばらくおいしい「つや姫」をいただける毎日になりそうです。
次回のお茶事の時にも使ってみたいと思っています。

 試食用にとプレゼントしていただいたのは、山形県高畠町にある農事組合法人 屋代農業生産組合の中村さん。
わが家のお米は年間を通して中村さんから送ってもらっており、これまでコシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれ、はえぬきなどいろいろなおいしいお米をその都度宅配で届けてくれます。
食べる時に近くにある精米機を使い白米にしているので、いつもおいしくいただくことができます。
他にもサクランボやラ・フランス、葡萄などもいつも届けていただいております。

■販売お問合せ先
 株式会社アグリコーポレーション
 992-0351 山形県東置賜郡高畠町大字高畠527-1
 TEL: 0238-52-4380 FAX: 0238-52-1036
 担当   中村様



 今日のお稽古は「後炭所望」
私が花の札をひいたので亭主役をさせていただきました。
花月は「貴人清次濃茶付花月」そして「平花月」

「貴人清次濃茶付花月」がまだよく分からず、三月の花月の時にもう一度お稽古させていただくことになりました。


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風の森通信 第726号


「大徳寺納豆」



 これは「大徳寺納豆」です。
懐紙の上に置いて撮ってみました。

納豆とはいっても糸をを引くことはなく、色は黒くてコロコロとした小石のようにも見えます。
仙台で納豆といえば糸引き納豆のことですが、京都ではこれが納豆と呼ばれているようです。
昨年の夏頃、京都在住の友人が届けてくれたものです。
最初は興味半分でいただきましたが、独特の香りと塩辛さがあってけして好きとは言えず、それ以来ずっと冷蔵庫に入れたままですっかり忘れていました。お正月を過ぎ節分の時、置き忘れていたことに気付きなんとか処分しなければと思いまた食べてみました。
一個だけ口に含んでみると、塩辛いというのがまず第一印象。
少し噛んでいるうちに醤油のような味がしてきます。でもどちらかといえば粘りのない納豆の佃煮と言ったところでしょうか。
もう少し食べていると、色の黒いお味噌を口の中で溶かしているようにも思えてきます。

説明書には一休禅師が、中国より持ち帰り大徳寺に伝えたと書かれています。寺の僧侶たちは肉食が禁じられていたので、貴重なタンパク質として栄養源なっていたという。また門前の町衆に飢饉の保存食として伝授されたともありました。
一休さんの時代のことを考えながら口を動かしていたら、知らず知らずのうちに何個か口の中に入っていました。
当然のことながらお茶を飲みながらではありましたが、いただいているうちにこの塩辛さが癖になりそうな味であることが分かってきたのです。
誰でもが好きにはなれるとは思いませんが、私は何の抵抗もなく食べることができました。
それ以来専用の容器に入れて、毎日五粒程度食べております。
お酒やビールの肴になりそうです。甘いお菓子ばかり食べた後のお口直しや、二日酔いなどの時などにはいいのかもしれません。
しばらくは私だけの楽しみとなりそうです。

 朝起きてみると仙台は約十センチ程の積雪がありました。
午前中でほとんどの雪が消えてしまいましたが、午後からのお稽古をしている間も雪が少しだけ舞っていました。
雪が降っているのを見ながらのお稽古はこの季節だけです。
大炉での後炭手前、更々棚を使っての濃茶点前そして筒茶碗。

齋藤宗紀先生にご準備いただいた主菓子はバレンタイン用の羊羹で、表面にはピンク色のハートマークがたくさん付いているものでした。

   「御銘は?」
   「告白と申します」

どっと皆様方から笑い声があがりました。
男の私が言ってはまずかったかな~!
 来週は後炭所望、貴人清次花月そして平花月と齋藤先生より予告がありました。足の運び方から帛紗の付け方まで、また元に戻らなくてはなりません。
毎週変化のあるお稽古が楽しみでございます。


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風の森通信 第718号


完熟柿


 昨日は山形で結婚式があり、帰りに実家に寄ってきました。
お茶をいただいている時にテーブルに出されたのは完熟柿。
大きさというより高さが十五cmほどもある大きな柿でした。
近くの親戚が先日柿の木から取ってきて届けてくれたという。
柿の名前は蜂屋柿。
上から四等分に切ってあります。

皮を手で剥きスプーンで触ると、ぷにゅぷにゅしています。
冷たくて柔らかく甘い味が口の中に広がります。
それは柿の甘みがぎゅっと詰っているからでしょうか、まるでよく冷えた柔らかい羊羹のような和菓子でも食べている感じがいたします。
 山形では柿の収穫時期が終わっても、実をとらずにそのまま枝にたくさん付けている風景によく出会います。
どうして取らないのだろうと不思議に思っていたものです。
もぎ取る人手や手間がないからだろうとばかり思っていましたが、どうもそれだけではないようです。取らずに木にそのままにしておいて自然に完熟させ、一切加工などはせずいただくわけです。
そしてこの季節になると雪をかきわけて柿の木によじ登り、形が崩れないように下から手でしっかりと持ち丁寧に枝からもいでくるという。やわらかいので、届けてくれるにも形が壊れないようにと大変であったようだ。渋みがまったく無くなったお正月の頃にこうしていただくので、果物の究極の完熟の甘みといえるのではないでしょうか。
大きな柿を作るため余分な蕾や形の悪い実をとったり、残った柿に養分を行き渡るようにしているらしく、時間と労力がかかっていると聞きました。そのせいか通常の柿の倍以上の大きさになって、形も先が尖ったトマトのような形をしているので、簡単に他の柿と見分けがつきます。
 兄が言うにはビタミンAやカルシュウムやカリウムも多く、肝機能障害の予防やアルコールを分解する働きもあるらしい。そういえばお酒を飲んだ後、母によく柿を食べるようにと言われた記憶があります。この頃には渋みもすっかりなくなり食物繊維もあるらしく、便秘予防だけでなくコレステロールを減らし一緒に排泄する働きもあるようです。
 こうしてみると蜂屋柿の完熟は、なんとも贅沢な食べ方とその甘さそして良薬でもあるわけです。
この完熟柿を仙台で作ろうとしたら、いただく前にきっと鳥たちに全部食べられてしまうに違いありません。
やっぱり山形で寒いこの季節にいただくのが一番のようです。
それに蜂屋柿は、福島県伊達郡特産の「あんぽ柿」にもなるもので私の好物でもあります。
 

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風の森通信 第471号


春が来る


 
   また春がくる
   いつものように強い風が吹く
   吹いてくる風は三寒四温
   春一番が忘れていったものは
   風邪ひきの吾そして残された五感
   でも こうしてまた春がくる


 先週の月曜日から水曜日まで高熱を出してしまい会社を休んでしまった。
十年来風邪もめったにひくことはなかったが、今回だけはどうにもならなかった。
平熱が35℃を少し越える程度の私なのだが、39℃を過ぎると死ぬのではという不安が襲ってくるものだ。
そんな時はなにをするのも総てが面倒なのである。
薬を飲むのも面倒。
話をするのも面倒。
食事を摂るのも面倒。
検温することすら面倒。
考えるのも面倒くさいのさい。

 でも高熱にうなされながらも、おいしいものをいただいくことができました。
香川県産の「ふるーつ物語」という小さなみかん。

photo_20022702.jpg

直径は5~6センチ程度で、サイズ的にはSか2Sといったところだ。一つひとつ「まる曽」と印刷された袋に入れられ、おまけに葉まで付いていて皮は非常に薄いのが特徴。
後で教えてもらったのだが、甘みは15、6度もあるとのこと。
こんなに甘くておいしいみかんは初めてであった。
風邪の時といわず、またいただきたいものである。


 今日のお稽古は後炭所望そして薄茶総荘り。
薄茶の時に出された干菓子はごらんのような甘酒ボンボン!

photo_20030102.jpg

これは以前同じ齋藤社中におられ、東京に転勤となったT・Mさんから届いたとのこと。
ありがたいことでございます。
きれいに並んでいるのにいただくのが誠にもったいない。
今日でお茶室に飾られた雛人形たちとはまたお別れです。


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テーマ : 和風、和物、日本の伝統
ジャンル : 趣味・実用

風の森通信 第455号


牡蠣蕎麦(かきそば)


 お歳暮に生の牡蠣(かき)を贈ろうと思い、一番町の「かき徳」に行き注文を済ませてきた。
仙台は近くに三陸や松島などの牡蠣の生産地があり、食べる機会が多く新鮮な牡蠣が容易に手に入るところである。
届けた先の知人たちはいつも牡蠣鍋でいただくのが多いようだ。
牡蠣の発送をお願いした後、仙台三越にも立ち寄り用事を済ませ出てくると、ちょうど目の前に「さん竹」というそば屋さんがある。
店の前には「かきそば」という立て看板があってまっ先に目に入ってきた。
先方さんへ生牡蠣を発送したのはいいが、私だけが食べていないのも何か物足りなさを感じて暖簾をくぐってしまった。
「さん竹」は季節毎に旬の素材を入れてくれるので昔から通い続けているそば屋さんだ。
全国新そば会加盟のお店で、宮城県内ではこのお店だけである。
春は「白魚」、夏は「あなご」や「ホタテ」。
秋は「松茸」、今の季節は「牡蠣(かき)」と地元の自然の豊かさをそばと一緒に楽しむことができる。
お昼時ということもあって店の中はほぼ満席であった。
相席しかなかったので、和服姿の奥様の前に座らせていただいた。
みるとその奥様も「かきそば」を黙々とすすっていた。

「かきそばお願いします」

店内は席がほぼうまっているのに以外と静かで、そばをすする音がそちらこちらと聞えてくる。
飲食店というのは一般的に、食べるという目的で自然発生的に集まり、人が大勢ということもあって話に夢中になってうるさいものだが、そば屋だけはそのことはあてはまらないようだ。
しばらくすると「かきそば」が運ばれてきた。

photo_19122201.jpg

湯気がたって、そばの上には大きな牡蠣が五個どんと置いてあった。

「いただきます」

一番先に右側の一番大きな牡蠣をいただいた。
あの独特の味と食感がなんともいえない。
牡蠣をいただく度に、大人の味だといつも感じて食べている。
牡蠣は子供の頃はまったく食べられないものの一つであった。
食べられるようになったのは社会人になってから最初に「かきフライ」が好きになり、食べているうちに「牡蠣の酢の物」も食べられるようになった。
大人になってようやく抵抗感もなくいただけるようになった。
「かきそば」は静かな味と共に大人の味でもあると思っている。
私もふぅふぅいいながら、すすっていただいてきたのは云うまでもない。

「ごちそうさまでした」

交わした言葉は3回だけ。
お代は1,300円也。


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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大と、ヘルマンハープ演奏にも取り組んでいます。
昔からあった美しい東北の四季、それを彩る催しそして癒しの音色などもお届けしていきます。

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